CORE CANVASのポケットに入れておくべきもの

本サイトでコラムを書いているライターの井上です。

カメラ好きの視点で、CORE CANVASシリーズのインプレッションをあれこれ感じるままに書かせていただいております。3回目のテーマはポケットについて。このショルダーバッグには、フラップ部に2つ、そしてサイドに2つのポケットがあります。

CORE CANVASのネーミングの由来となった、特殊なパラフィン樹脂が含浸させてある厚手のキャンバス地の手応えを感じつつ、フラップを開ける。そうするとメインの気室にもアクセスできるのですが、同時にフロントポケットの開口部も姿を現します。このフロントポケットは絶妙なサイズ感でデザインされているので、カメラの交換レンズを収納することも可能です。

このポケットを使う状況としては肩からバッグを下げた状態で手を伸ばすことになりますが、メインの気室にあるレンズと、ポケットに納めたレンズとの物理的な距離感はほぼ同等です。だったらクッション付きのインナーボックスに守られたメインの気室にレンズを入れておいた方が安全なのでは? という考え方もあるでしょうが、問題は物理的な距離感や安全性ではなく、精神的なスタンスなのです。

すなわち、その他色々なアイテムと一緒に入っているのではなく、あえて単独でポケットに収納したこのレンズは、自分的にはいつでも交換する心の準備が整っている。ということです。現在進行形でカメラに装着してあるレンズでは対応できない未来を予想しながらフロントポケットに収めてあるレンズは、いわばスーパーサブ的な存在として撮影の流れを変えてくれるポジションなのです。これは、あくまでカメラバッグを持ち歩く撮影者の心情の問題ですが、こういうことって大事だと思います。

では、サイドに2つあるポケットには何を入れておくべきでしょう?

サイドポケットにはサングラスとかチョコレートとか小振りなメモ帳とペンなど様々なアイテムを入れることが可能です。ここはやはりクラシカルテイストのCORE CANVASだから、サイドポケットから取り出すのは実用一点張りでなく持ち物としての温かみがある方がマッチする気がします。上の写真は、電源不要で周囲の光の量が図れるアナログ式の露出計。フルマニュアルのクラシックなカメラで撮影するときに役立ちます。これがサイドポケットに入っていると考えるだけでもなんだかちょっと嬉しい気がします。

写真を撮ることに夢中になると、実は見ることがおろそかになる。だから新聞記者が取材先でまず手にすべきはカメラでなく双眼鏡なのである。ということを新聞社に長く勤めていた経歴を持つカメラマニアの大先輩からお聞きしたことがあります。上の写真は、東京オリンピックが開催された1964年に登場したニコンのコンパクトな双眼鏡シリーズの7倍モデル。その名をLOOKと称します。こんな小粋な双眼鏡をサイドポケットに入れて、さてどこに出かけるかと想像するのも楽しいものです。

CORE CANVAS
リンク:
http://www.creezan.com/collection/series/core-canvas

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ガンダーラ 井上

ガンダーラ 井上

ライター。1964年 東京・日本橋生まれ。早稲田大学社会科学部卒。松下電器(現パナソニック)宣伝事業部に13年間務める。在職中から腕時計やカメラの収集に血道をあげ、2002年に独立し「monoマガジン」「BRUTUS」「Pen」「日本カメラ」「ENGINE」などの雑誌やウェブの世界を泳ぎ回る。著作「人生に必要な30の腕時計」(岩波書店)「ツァイス&フォクトレンダーの作り方」(玄光社)など。
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