UTLIMATE、ライカの故郷ウェッツラーを行く

本サイトでコラムを書いているライターの井上です。

カメラ好きの視点でULTIMATEシリーズのインプレッションをあれこれ書かせていただいておりますが、今回は特別編をお送りしたいと思います。

CREEZANのシリーズで、上質なシュリンクレザーを用いて日本の職人がハンドメイドで仕上げているULTIMATE。そのコンセプトとして“ライカに相応しいカメラバッグ”を掲げております。ライカはドイツを代表するハイエンドの光学ブランドで、小型速写カメラの元祖を生み出した老舗です。その創業地はドイツのウェッツラー。そうなりますと、いつの日かULTIMATEを持ってウェッツラーを訪れたいと考えていたのですが、いよいよそのチャンスが到来したのであります。

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欧州の石畳とULTIMATEのツインポケットショルダー。なんだか雰囲気抜群で違和感なく路面になじんでおります。ここはドイツ・ウェッツラーの市街。真冬で気温はマイナス2℃と底冷えしていますが風はなく、空気は澄み切っていて気分がいいです。バッグの隣にあるマンホールのフタみたいなものには刻印が入っていますね。実は、このフタはとても重要な記念碑なんです。

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はい、これがその詳細画像です。「1914年に最初のライカで、ここから写真が撮られた」「先見性に満ちた発明家、オスカー・バルナックによって」と書いてありますね。真ん中のイラストがウル・ライカ(ウルはドイツ語で元祖の意)。これが通常私たちがイメージする目の高さに構えて撮るカメラのひな形となったモデルなんです。ウル・ライカ登場以前のカメラの大半は木組みで大型なものでかさばり重く操作も俊敏にできないものだったのですが、ライカの登場によって自由で軽快な撮影が可能になったのです。

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ライカで初めて撮られた有名なモノクロ写真と同じ建物が平然とそこにある。記念碑の場所からアイゼンマルクトに向かって視線を向けると、こんな光景です。100年以上前から、街角の見た目がほとんど変わらないというのが東京都心で育った身にしてみると驚くべきサスティナビリティーです。なじみの建物が、いつでもそこにあるという非常に長い時間軸での視覚体験は、ものづくりの姿勢にも大きな影響を及ぼすのだろうなと感じ入った次第です。

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“ライカの発明者として、その才能を讃える”。ウェッツラー市内を歩いていると、かつてライカを製造していたエルンスト・ライツ社(現在はライカ・マイクロシステムズが使用中)社屋の向かいに、オスカー・バルナックの肖像を掲げた記念碑がありました。小さなカメラをバッグに入れて歩き回り、写真を撮る楽しみの源泉がここにある。敬意を込めて、使い慣れてきたULTIMATEの中から最新のライカを取り出して撮影させていただきました。

ULTIMATE TWIN POCKET SHOULDER
リンク:
http://www.creezan.com/collection/ultimate/twin-pocket-shoulder.html

Leica Camera
https://jp.leica-camera.com/

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ガンダーラ 井上

ガンダーラ 井上

ライター。1964年 東京・日本橋生まれ。早稲田大学社会科学部卒。松下電器(現パナソニック)宣伝事業部に13年間務める。在職中から腕時計やカメラの収集に血道をあげ、2002年に独立し「monoマガジン」「BRUTUS」「Pen」「日本カメラ」「ENGINE」などの雑誌やウェブの世界を泳ぎ回る。著作「人生に必要な30の腕時計」(岩波書店)「ツァイス&フォクトレンダーの作り方」(玄光社)など。
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