ULTIMATEの使い心地 (ツインポケットショルダー)-5-

本サイトでコラムを書いているライターの井上です。

カメラ好きの視点でULTIMATEシリーズのインプレッションをあれこれ感じるままに書かせていただいております。その5回目は、ひきつづきTWIN POCKET SHOULDERについて。

冬本番で、寒さがこたえる季節になってきました。日照時間は少ないものの、ここ東京ではほんの数ヶ月の間だけいつもより空気の透明度が増して、写真を撮るには面白い光線とめぐり合える確率が上がる気がします。そんなコトを思いつつTWIN POCKET SHOULDERをぶら下げて、うろうろしているうちに日は西に傾き、何だかドラマチックな雰囲気になってきたので切り株にバッグとカメラを置いて写真を撮ってみました。

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今日のカメラはライカです。レンズは最近やっと入手したアポ・ズミクロンという超高性能な標準レンズ。かなり見た目は地味でごく普通のレンズに見えますけど、ちょっと驚くような値段の宝物です。TWIN POCKET SHOULDERは、斜めの光線でファスナー部分にハイライトが出てキレイですね。

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このファスナー、金属製なので光の状態によってキラリと光るんですよ。渋めの配色のシュリンクレザーに、アクセントとして金属の光沢を利用して輝度の高いラインを加える。なかなか粋なことをしてくれていると思います。実用一点張りでなく、ちょっとレトロでもありシックな雰囲気を、この金属ファスナーが演出しているんですね。

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とはいえ、金属のファスナーってカメラやレンズを出し入れするときにキズを付けてしまうのではないか? 使い込んで表面の擦れた状態になったカメラやレンズはいい感じですけど、キズとか凹みというのはいただけません。特に買って間もない新品同様のレンズの組み込みフードとかにキズが入ったりすると結構地味に落ち込んだりします。出し入れしているところを改めて検証してみれば、やはり多少なりともファスナーと接触している感じです。

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でも大丈夫なんです。TWIN POCKET SHOULDERのメインルームには“コイルファスナー”が採用されているんです。ファスナーの噛み合う部分(エレメント)が金蔵部品ではなく樹脂製で、こまかいコイル状になっている。だからカメラやレンズを出し入れするときにキズをつけてしまう心配がない。ここだけコイルファスナーにするという気遣いは、このバッグのデザイナーが単なるファッションアイテムとしてTWIN POCKET SHOULDERを作ったのではなく、カメラを運ぶ道具として意識してくれていた証拠だと思います。

ULTIMATE TWIN POCKET SHOULDER
リンク:
http://www.creezan.com/collection/ultimate/twin-pocket-shoulder.html

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ガンダーラ 井上

ガンダーラ 井上

ライター。1964年 東京・日本橋生まれ。早稲田大学社会科学部卒。松下電器(現パナソニック)宣伝事業部に13年間務める。在職中から腕時計やカメラの収集に血道をあげ、2002年に独立し「monoマガジン」「BRUTUS」「Pen」「日本カメラ」「ENGINE」などの雑誌やウェブの世界を泳ぎ回る。著作「人生に必要な30の腕時計」(岩波書店)「ツァイス&フォクトレンダーの作り方」(玄光社)など。
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