デッドストックのローデンストック

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世界三大ナントカという

権威の示し方が、どのようなジャンルでもされていますよね。世界三大スープとか、世界三大美女などなど。で、だいたい3番目が何なのかを思い出せないことが多い気がしますし、3番目を何にすべきかで意見が分かれる場合もあります。ローデンストックというブランドは、世界3大レンズに数えるとしたら3番目になるタイプ。すこしハードルを下げて、ドイツ3大レンズとしても、王者カール・ツァイス、主将のシュナイダー・クロイツナッハに続く3番手です。
とはいえ、ボクの個人的なブランドロイヤリティーとしてはシュナイダー・クロイツナッハよりも上にランクされています。カメラのレンズとしてもコダック・レチナやアグファのカラートといった地味だけれど上質なモデルに、ローデンストックのレンズが使われていたのです。引き伸ばし機に使うレンズも、アポ・ロダゴンなど名品が揃っております。ローデンストックはレンズ製造のみならず、眼鏡フレームの世界でもその名を轟かせていました。


東京・神田神保町の

とある眼鏡店。ここは正確にはレンズ屋を自称しているマニアックな店で、何度かサングラスのレンズ交換などを所望した経験があるのです。久しぶりに店の前を通りがかったついでに覗いてみると、どうも店内の品揃えが以前と違う。その理由は、各支店の倉庫などにあったデッドストックのフレームを神保町に集結して、一挙に放出していたからでした。

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デッドストックの博覧会みたいな
店内の様子に、かなり心が揺さぶられました。時代のついたデザインだけど、まだ誰のものにもなっていない新品の眼鏡フレームたち。その銘柄はオーストリアの名門シルエットや旧西ドイツ製の泣く子も黙るカール・ツァイス、そしてローデンストックもデッドストックとして何本もディスプレイされていたのです。

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ダライラマ法王猊下の
愛用されているような、レンズの天地に余裕のあるアイブロウのフレーム。線が細いようで、しっかりとした剛性感のあるフレームの仕立てはまさにローデンストックの真骨頂です。このフレームにミラーシェードのプラスチックレンズをコーディネートしてカスタマイズしてみたら面白いと思ったので購入を決意。仕上がりは狙いどおり雰囲気バツグンのサングラスになりました。

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さらにゴールド仕上げの
フレームも捨てがたいものがあり、ローデンストックを一挙に2本の大人買いです。遠い昔に西ドイツと呼ばれていた国からやってきて、長い時間日本のどこかで眠っていた。こんなスタイルを持っていて、これ程丁寧な仕上げの眼鏡フレームを手に入れられるなんてラッキーです。こちらもサングラスにしてもインパクトのあるフォルムですが、あえて色なしで初めてのリーディンググラスを作ってみました。最近めっきり近くのものが見づらくなってきたので、このローデンストックは心躍る実用品として活躍してくれそうです。