クライミングロープのストラップ (その1)

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カメラのストラップに
山岳用のロープ(ザイル)を転用するとオシャレなんじゃないのか? という流行現象がこの1年で見られます。かつて登山家に使われてきたザイルはマニラ麻などのオーガニック製品が主流でしたが、1950年代頃からナイロン製が出現し、日本ではナイロン製のザイルが岩角で切れてしまうという品質の悪さから不幸な滑落事故などが起こり、1970年代になってようやく真っ当な安全基準が設けられることになりまして、今日に至っております。

人の命を預ける山岳用のロープなら、命の次に大切なカメラを吊るすのにも好適ですよね。そんなワケで日本の用品ブランドに端を発し、それを追うように欧州の用品ブランドからもクライミングロープやアルパインロープを転用した商品が登場しております。その価格は高いものでは1万数千円。ちょっと買うには勇気のいる値付けだと思います。

これがイタリアンレザーの別注品であるとか、あるいは京都の老舗に通い詰めて作ってもらった正絹の組紐とかならまだしも、山を愛する人々なら誰でも使っている汎用品のロープを素材にしているにしては値段が高いと感じます(個人の印象です)。

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それなら自分で作ればいい。
はい、これが不肖ガンダーラ自作のクライミングロープを転用したストラップのディテールです。本体はスイスの名門MAMMUT(マムート)の高級品を奮発。国産品にも優秀な性能のものが多くありますが、モノとしての存在感を比較してみると欧州製品に一日の長があるようです。ステンレス製のリングをつなぐ部分にはステッチ加工など工業ミシンを使わずに済む構造を考案しました。そもそもハイテクのナイロンザイルにステッチが入っていると、そこだけ雰囲気が古めかしくて今ひとつだと思います(個人の感想です)。

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使用しているパーツは
全部で11点というシンプルな構造です。用意したものはクロムなめしのレザーリボン、ステンレスのリング、長足のハトメ、住友の熱収縮チューブ、ロープ本体です。ロープは東京・神田神保町の山岳用品店、金具とレザーリボンは浅草橋のレザークラフト用品店、熱収縮チューブは秋葉原の電材専門店にて入手。自宅の日本橋浜町から徒歩で巡れる範囲から集めたパーツで流行のストラップが作れてしまうのですから、東京の街ってクールだなぁと思います。

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それにしても山岳用品って
派手な色のものが多いんですよね。ロープも黒1色という選択肢以外で、渋めのカーキとかブラウンみたいなものが見つけづらい。見つけたとしても何だか3色が段だら模様になっていたりして微妙に存在感が強すぎだったりします。この派手なロープを山に持っていって汚れて使い込んだ味を出すという方法もあるのでしょうが、何かもっと手軽なやり方はないか思案中なのです。

つづく
クライミングロープ カメラ ストラップ(その2)>>>