CORE CANVASで、IZU PHOTO MUSEUMにお出かけ

本サイトでコラムを書いているライターの井上です。

カメラ好きの視点で、前回からCORE CANVASシリーズのインプレッションをあれこれ感じるままに書かせていただいております。誰もが思い当たることだと思うのですが、新しいカバンを手に入れた時、それを持ってどこに出かけるかを考えるのは楽しいものです。

この仕立ての良い厚手のキャンバス地のバッグは、やはり晴天にデビューさせたいもの。うまい具合に冬の太平洋沿岸地域は天候が安定しているので、まずはそのエリアが狙い目かな。と思っていた矢先に、静岡県にあるIZU PHOTO MUSIUMのインビテーションを頂戴しました。新幹線の三島駅からバスで30分。何度も訪れたことがありますが、いつ行ってもセンスのいい展覧会を開催しているし、敷地の手入れのされ方や空気感が洗練されていて居心地が良く、大好きな美術館です。

2018年7月初旬まで開催している企画展「永遠に、そしてふたたび」。コレクション作品を中心に横溝静、野口里佳、川内倫子、長島友里恵、テリ・ワイフェンバックの5名の現代作家による作品が展示されています。それぞれの作家の個性を感じながらも、一つにまとめられた展示の流れに身をゆだねると、そこに通底する何かを感じます。それは、かつて5名の作家と密なる関係を築き、そして突然2016年の夏に世を去ってしまったIZU PHOTO MUSIUMの学芸員、森陽子さんのキュレーションセンスを感じるからなのだと思います。

展覧会のオープニングイベントは、企画展の最初に展示されている作家の野口里佳さんと、森陽子さんがPARCO出版に在籍していた当時に写真集「NEW WAVES」を作ったホンマタカシさんのトークショウ。そのあとのレセプションまで、美術館の名前の入ったタグを『目立つ場所に貼っておいてください』と手渡されたので、CORE CANVASのフラップに貼っておきました。美術関係の方々が集まるレセプションって、野暮ったいスタイリングはNGです。だから、カメラはM型ライカ。地味目の35ミリのズミクロンを付けて、わかる人にはわかる感じで。服装も黒をベースにしておくと関係者っぽいかもしれません。そうなると、このCORE CANVASシリーズはバッグの選択としてはベストに近いのではないかと思います。美術館でのレセプションが似合うバッグ、いい感じです。

やはり、CORE CANVASの魅力は超厚手のキャンパス生地の質感が際立っていることだと思います。使い込むほどに経年変化が味わえるのでしょうけれど、今はまだパリッと凛々しい感じで、黒く染められたコットンの織り目もしっかりとした凹凸として感じられます。それゆえに、外出先でキャッチしてしまった糸屑や埃などが漆黒の生地に目立ってしまうもの。家に戻ったら、ブラッシングをしておきます。これは、野口里佳さんがベルリン在住だった頃にお邪魔して、彼の地で求めたもの。こすらずに払う要領で使い、コットン生地の繊維を整える。一手間かけて、そんな手入れをするのも楽しいものです。

CORE CANVAS
リンク:http://www.creezan.com/collection/series/core-canvas

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ガンダーラ 井上

ガンダーラ 井上

ライター。1964年 東京・日本橋生まれ。早稲田大学社会科学部卒。松下電器(現パナソニック)宣伝事業部に13年間務める。在職中から腕時計やカメラの収集に血道をあげ、2002年に独立し「monoマガジン」「BRUTUS」「Pen」「日本カメラ」「ENGINE」などの雑誌やウェブの世界を泳ぎ回る。著作「人生に必要な30の腕時計」(岩波書店)「ツァイス&フォクトレンダーの作り方」(玄光社)など。
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