PA66の使い心地 (2WAY FLAP SHOULDER ②)

本サイトでコラムを書いているライターの井上です。

カメラ好きの視点でPA66シリーズのインプレッションをあれこれ感じるままに書かせていただいております。その2回目は、ひきつづき2WAY FLAP SHOULDERについて。

このモデル、その名のとおりショルダーバッグとして使える仕様になっています。ところで、肩からカバンをかけるときストレートというかバーチカルというか、肩からさげたカバンが重力にそのまま従うスタイルと、ストラップをナナメにかけて腰回りも使ってバッグを保持する感じで使うスリングスタイルがありますが皆さんのお好みはどちらでしょうか? ボクは断然たすき掛けのスリングスタイル支持派です。これは完全に人の好みの問題なので、どちらかをゴリ押しすることはできないと思います。とはいえ、世の中のショルダーバッグはストレート派を前提に設計されている場合が多い。それに対して2WAY FLAP SHOULDERは、スリング派のことを大切にしてくれています。

ビリンガムカメラバッグ
ちなみに、こちらは英国B社のバッグ。ストラップがバッグの下にまで回り込んで収納物の質量をしっかり支える構造になっております。なので、どんなに使い込んでも本体にガッチリ縫い込んであるストラップは垂直方向を向いたまま。だからいつまでたってもスリングスタイルでの使い心地はあまりよくないし、ナナメ掛けするとバッグの底面が見えそうなほど本体が傾くんですよね。バッグがくたびれてスリングスタイル向きになる前に、身体の負荷が気になってストレート派に転向したくなる感じです。

フォグ カメラバッグ
こちらは、フランスF社のもの。さきほどのB社と同様にストラップが本体底面をグルリと巡っている関係で、ストラップは垂直にそそり立っております。これをスリングスタイルで使うと革の部品の切れ目にものすごく負担がかかってしまいます。オシャレなんだけど、ストラップを通した革の部品が切れちゃいそうですよね。そんなこと、考えただけで憂鬱になってきますよ。だからこのバッグはスリングスタイルで使わないようにしてます。すなわちストレート専用だから、あんまり出番がないんです(笑)。

日本製カメラバッグ

はい、これが2WAY FLAP SHOULDERのショルダーストラップの基部です。バッグから“ナナメ”にストラップが伸びています。この角度があればスリングスタイルで肩からさげたときバッグ本体がまっすぐ下を向いて安定感が増すんです。特にスリングスタイルで使用する場合、歩行時は身体の後ろにバッグがあり、何か取り出したいときに身体の前にバッグを回し込む動作をするものですが、その一連の回転運動もスムーズなのがいいですね。
PA66 2WAY FLAP SHOULDER
リンク:
http://www.creezan.com/collection/pa66/2way-flap-shoulder.html

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ガンダーラ 井上

ガンダーラ 井上

ライター。1964年 東京・日本橋生まれ。早稲田大学社会科学部卒。松下電器(現パナソニック)宣伝事業部に13年間務める。在職中から腕時計やカメラの収集に血道をあげ、2002年に独立し「monoマガジン」「BRUTUS」「Pen」「日本カメラ」「ENGINE」などの雑誌やウェブの世界を泳ぎ回る。著作「人生に必要な30の腕時計」(岩波書店)「ツァイス&フォクトレンダーの作り方」(玄光社)など。
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