クレオパトラや秦の始皇帝も愛用した高貴の色「紫」は、アクキガイという巻貝の分泌液で染められたものだったという。紫外線に曝されることによって、褪色するどころか、かえって鮮やかさを増す神秘の色素。…
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キリストの肖像〈エッケ・ホモ〉の修復で世界に知られる存在になってしまったセシリア・ヒメネスさんを訪ねた旅の話の続きをしよう。セシリアさんの家の居間には車椅子が置かれていた。52歳になる長男が出生時低酸素症でまひがあり、歩…
5年前のことだ。スペインの片田舎に暮らす一人の老女が瞬く間に世界中で話題になるということが起きた。老女の名前はセシリア・ヒメネスさん。家の近くの教会でキリストを描いた古い絵画に筆をくわえ、「お猿のようにして…
ロンドンから南へと下り、イングリッシュ・ワインの曙を支えるワイナリーの多くが集中するサセックス州とケント州を訪ねた。フランスでもイタリアでも、ワイン産地のドライブと言えば、折り重なるように続く丘陵の斜面に垣…
ほんの10年くらい前まで、「イギリスのワイン」という言葉は、あり得ないことを示すジョークのための言葉だった。ところが真実はテムズ川を潜行する(と噂される)巨大水生動物のように静かに、しかし、着実に居場所を替…
君主スルタンの食卓を頂点とするトルコ料理。「世界三大料理」のひとつに数えられる、その完成された食の哲学は、街場のケバブ屋や庶民の家庭にも及ぶ。イスタンブルの旅は後半戦に入る。 若き天才シェフが…
「世界三大料理」とは、中華、フレンチ、トルコ料理の3つを指す。馴染みのある中華やフレンチと比べ、トルコ料理のことをわれわれはどのくらい知っているだろうか? トルコ料理の精髄を求めて、イスタンブ…
チリワインに起こった「地殻変動」の現場を取材するべく、2007年の師走、僕は初夏の南米チリでワイン産地をめぐる旅をしていた。旅の相棒はスペイン語しか話すことのないドライバーのミゲル。さて、二人…
2015年、ついにチリワインはフランスワインを抜き、日本に輸入されるワインの第1位(量ベース)の座についた。某エアラインのファーストクラスのワインリストにチリワインが登場して話題になったのは2007年のこと…
La Frontera d’Espiritu -2- 【前回のあらすじ】 先住民ウィチョル族が幻覚作用のあるサボテン“ペヨーテ”を求めて巡礼する聖地ウィリクタ。この地を目指したわれわれ一行は、起点となるレア…
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